天満荘の「よるしゃべ」に行ってきました。目的は「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト(国立科学博物館)」を見事に成功へ導いた内田正洋さん(監督)と鈴木克章さん(漕手)の話を聞くこと。
横断中から多くの情報がメディアに流れ始め、私もNHKなどで情報を追っていました。メディアから情報を入手し続けていると、どこか異次元の人々が繰り広げるSFのような感覚を持ちがちですが、直にご本人の話を聞くことで、ぐっと自分事として引き付けて理解することができます。
「台湾の東海岸に立って200㎞先の与那国島に行くんです。ただ、それだけです。想像して下さい。明日の朝、出発しますよ」そう話しかけられると、海岸に立つ自分を想像しながら、ちょっとした恐怖感が沸き起こってきます。恐怖を乗り越え、目指す島へ到達するための礎が、「天気」「空気」「海気」を感じ取り危険を回避していく能力。その能力を日々磨き上げていくことが大事を成し遂げる秘密だという話は、私達の人生においても通ずる話であり、異次元の世界からぐっと身近な話に近づきます。
聴講した学生もそうした感覚を味わったのではないでしょうか?「ほどほどで済ます」ことで「そこそこの人生」を送ろうとする。それはそれでよいのかも知れません。しかし、こうした異次元のような冒険譚が、日々の鍛錬の積み重ねで達成されることを知り、「ひょっとしたら自分にも・・」と感じ、それぞれの大事に向かって鍛錬を積み重ねていこうと思ってくれる。そんな反応が起こってくれたら、自然環境リテラシー学が大学教育の中で大きく位置づけられる可能性があると感じた次第です。
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