水田における有機物の役割がすごく気になります.水稲栽培でコストを削減する有効策は,廃棄されるような有機物で化成肥料を代替させることです.私の周囲の生産者の多くが,有機物投入の方法に苦慮されています.先日お会いした生産者の圃場では,どうも米ぬか施用が減収の要因になっているようでした.私が研究している飼料イネの栽培では,地上部全量を牛の餌にするため,土壌へ鋤き込む稲わらがほとんどありません.稲わらが地力を維持することは良く知られていますので,飼料イネ栽培は地力を低下させるとも指摘されています.三重大学に着任してから水田における有機物の重要性を改めて認識することが頻繁になってきました.そこで,来年作に向けて水田に米ぬかを投入してみました.米ぬかは津市内の辻農園産です.写真は米ぬか多量区です.ちょっと多過ぎですね.こちらの区画では,土壌圏システム学(渡邊先生)の学生が各種センサーを挿入して色々と調査してくれています.米ぬかが分解され,窒素が可給化する過程を捉えれると良いのですが.楽しみです.
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