国際農業開発学(1)

国際農業開発学という授業で学生がコメの食味を評価しました.

本授業では,①農林水産業が単なる一次産品の生産だけではなく,加工・販売・流通・消費およびそれらの各段階に影響を及ぼす政策を含めた総合的な知識なしには立ち行かないことを認識する,②経済・経営・技術を総合する文理融合および分野横断的な視点を身につける,③農業技術の開発や農業を通じた貧困からの脱却および経済発展を考える視点を身につける,ことを目標にしています.私は全15回のうち4回を使って,コメを題材に①と②について考えて貰う授業を担当します.

本日は,三重県産の「コシヒカリ」,「あきたこまち」,「みえのゆめ」,「たちすずか」,「弓形穂」,北海道産「ゆめぴりか」,新潟県魚沼産「コシヒカリ」,秋田県産「あきたこまち」の8銘柄の食味を評価して貰いました.厳密な評価方法に従っているわけではないので科学的には怪しい側面がありますが,それを差し引いても非常に面白い結果となりました.

両図とも縦軸は回答人数です.左図は2銘柄を比較して良食味を選んだ場合,右図は「最もおいしい」あるいは「最もおいしくない」銘柄を選んだ場合の結果です.

何と,飼料イネ「たちすずか」が大健闘です.「たちすずか」は食用米として流通していないため,昨年収穫した種籾を精米して使用しました.精米時の外観品質が非常に良く,「ひょっとしたら,ひょっとするぞ」という印象を待ったのですが,案の定でした.少なくとも,学生というターゲットグループは飼料イネ「たちすずか」の食味を高く評価する可能性があると言えます.

どういったターゲットグループに,どういった品種を,どういった栽培方法で販売するかをよくよく考えていくことで,現状とは異なる稲作の姿が見えて来るかもしれません.

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