1月15日(水)ウガンダ稲作研修3日目。
①肥料と農薬
ウガンダの肥料体系はNPK 60:30:30(kg/ha)。基肥でNPKを各30㎏、追肥で幼穂形成期に窒素を30㎏投入する。投入肥料のコストを考えるよう促したり、土の肥沃度が高い場合は肥料を撒かないよう指導する。投入前には稲作技術を導入できているか確認する。肥料への依存や過信を避けるためと思われる。
②機械作業体験
手押し耕運機(JY-47)を用いた耕起作業を体験。作業機はワンウェイタイプのボトムプラウ。体験したCPは操縦に慣れていないためか、かなり苦戦。「手作業より楽なのか分からない」との意見も。原因は下方向への過度な負荷。地面との摩擦力が増大し、機械の前進を妨げていた。私の番で下方向への加重を減らしてみたところ、前進・旋回がスムーズに。操縦に慣れるまでは、ある程度の労力を要してしまうのだと理解した。ロータリー付きの耕運機で砕土・撹拌作業も体験。
③人力ポンプ
人力ポンプによる灌水方法を体験。サイホンの原理を応用した仕組みで、交互にペダルを踏むと、汲み上げ、放水ができる。ダイエット感覚で操作でき、燃料代も節約できる画期的な発明。動きは単純だが、意外と体力を使うため、連続稼働時間は1人20分程度が良いと感じた。
④収穫・脱穀
研修用プロットにて収穫作業を体験。手刈りと機械の作業効率の差を確認。機械は手押し型のリーパーという機械。脱穀機能はなく、手刈り同様、刈取後のイネを手作業で集める必要がある。
叩きつける脱穀方法を体験。ガーナのバンバンボックスと同じ原理。ガーナは箱の中に籾を落とすが、ウガンダは布で囲われた台の上で叩き、籾が下に落ちる。効率はあまり変わらない気がする。
⑤収穫後処理
乾燥は基本的に屋外天日干し。種子生産や育種用の種子のみ乾燥機を使用する(40℃、18時間)。送風方向を切替不可のため、2時間毎に天地返しする。一度に700〜800kgの種子を乾燥できる。
その後、収穫後ロスを定量。籾摺り、精米を経ると1000gの籾が680gに。籾摺りで22%、精米で10%が失われた。本来は篩(ふるい)も使用するため、更に減少する。この32%も投入した水や肥料が源。収穫後排出物の活用と収益化の重要性を再認識した。



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