国際協力と地域貢献

弓形穂の純米吟醸酒「AKENO SAKUMOTSU(明野さくもつ)」が遂にリリースされました。初日には各社マスコミやYouTuberが明野高校に詰めかけ大変な賑わいでした。下手をすれば消えゆく運命だった弓形穂がここまで来たかと感慨もひとしおです。「ワインのようなフルーティーな味わい」とは、まさに言い得て妙といったところです。

「明野さくもつ」を飲みながら、「国際協力と地域貢献は本質的に同じだな~」とつくづく実感します。一見、二者のベクトルは正反対に映りますが、地元の資源を「再発見」し資源と資源を結び付けて新たな価値を創造するという点において、両活動に本質的な違いはないと私は考えています。

弓形穂の資源価値を信じ原材料として使い続けてきた河武醸造の河合さんや、高校生の商品開発力を見込んで明野高校に声を掛けたみよしや酒店の杉浦さん、原材料としての酒米栽培に限らず酒粕やくず米の商品化も実現した明野高校の西先生など、人材を含めた地域資源が結びつくことで「AKENO SAKUMOTSU(明野さくもつ)」という新たな価値が生まれました。

私がタンザニアで携わったJICAの稲作プロジェクトは、タンザニア全土の稲作生産性を向上させました。タンザニア国内の農業政策で運営されていた各地の農業大学校を「再発見」し、畦畔造成、圃場均平化、条移植といった稲作の基本技術を教授するコースを設立しました。地方自治体の農業技師とその管轄下にある篤農家という農業人材も「再発見」し、彼らを農業大学校に結び付ける(稲作基本技術コースで学ばせる)ことで各村に基本技術を浸透させました。

地域資源の再発見と結合による新たな価値の創造。私にとってはタンザニアでの活動も三重県での活動も本質的には全く同じ行為なんです。まさにグローバルとローカルが融合したグローカルですね。

Tags:

Comments are closed

Latest Comments

表示できるコメントはありません。