三重大学生活体験講座

伊賀地区の高校と松阪高校の生徒が参加する「三重大学生活体験講座」で模擬授業を担当しました.今回は「作物生産と気象」と題して,三重県と長野県の米生産力について気象条件,特に日射量と気温の面から比較検討してみました.あまり知られていませんが,長野県のコメ収量はほぼ毎年日本一です.しかも,過去10年間の一等米比率の平均値は97%です.それに対して三重県の過去10年間における平均収量は全国28位で,一等米比率は46%です.これまでに先人が蓄積してきた「作物生産と気象」の研究成果を利用すると,両県のコメ生産力がこれ程までに掛け離れている理由を日射量と気温から説明することができます.長野県では,生育期間中の日射量が多く,出穂後の平均気温が適度であることが高い生産力に寄与しています.一方,三重県の平場では長野県なみに日射量を獲得するのですが,出穂期以降の平均気温が高すぎるために収量や品位が低下してしまうようです.両県の生産力の差に素直に驚いてくれたり,こちらの質問に答えてくれる生徒もいて,楽しく過ごすことができました.

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