NERICAの品種登録後,TANRICEはTanzania Official Seed Certification Institute (TOSCI)と会談し,Ilonga農業研修所が研修教材として種子を生産する許可を得た.そして,約5トンのNERICA1種子を生産した.通常,NERICAは畑地に直播されるが,この種子生産では,均平化と代かきを施した水田で一株に一本苗を移植した.こうすることで,除草と異株抜きがしっかり行われ,高品質(高純度+高発芽率)種子を生産することができた.種子には薬剤を塗布し,5kgずつ袋に小分けして,5研修所(Ilonga,KATC, Igurusi, Ukiriguru, Mtwara)へ分配した.
その後,NERICA研修コースの研修モジュールを開発した(表).研修は2日間で完了する.中核農家(Key Farmer),普及員(Village Agricultural Extension Officer: VAEO),県農業畜産担当官(District Agricultural and Livestock Development Officer: DALDO)が参加し,NERICA普及メカニズム(講義),NERICAの特徴(講義),NERICA栽培技術(講義),種子生産(講義),展示圃場設置法(講義,実技)を受講する.各授業は,事前配布された資料と壁に映写されたスライドを使って実施される.
第1日目 | 開会あいさつ | 0.5時間 |
NERICA普及メカニズム | 0.5時間 | |
NERICAの特徴 | 1.0時間 | |
NERICA生産技術 | 1.0時間 | |
展示圃場設置:講義 | 0.5時間 | |
展示圃場設置:材料作成 | 1.0時間 | |
展示圃場設置:実技 | 2.5時間 | |
第2日目 | 種子生産 | 1.5時間 |
アクションプラン:作成 | 3.0時間 | |
アクションプラン:発表 | 2.0時間 | |
閉会あいさつ,種子・ユニフォーム・栽培ガイド配布 | 0.5時間 |
各県のDALDOがそれぞれ4ヶ村を選出し,各村の担当VAEOが村議会でKFの資格(陸稲栽培経験,識字,責任感,等々)について説明する.その後,各村議会が男女2名ずつ4KFsを選出する(図a).これらの関係者16名(1 DALDO, 4 VAEOs,16 KFs )が研修コースに参加する(図a).
アクションプランの作成時,各中核農家は3人の中間農家(Intermediate Farmer: IF)を選出する(図b).そして,IFを研修する日,畑を耕起・整地する日,播種日,収穫日もアクションプランとして取りまとめる(表).
NERICA研修コース終了時,各KFは,NERICA1種子4袋(4×5kg/袋),ユニフォーム(Tシャツ,帽子)4セット,栽培ガイド4冊を受領する.村に戻り,各IFに対して種子1袋,ユニフォーム1セット,栽培ガイド1冊を配布する(図c).そして,全農家がそれぞれ0.1haの展示圃場を設置し,その半分に条播,残りの半分に点播する(図c).各KFは,VAEOの助けを借りながら,栽培ガイドに基づいてIFsを研修する(図c).展示圃場は,新品種のショーケース,栽培技術の研修所,一般農家(Other Farmer)への種子供給センターとして機能することが期待される.収穫後,KFもIFもそれぞれOFsを3名選出し,各OFに5kgの種子を配布する(図c).

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