Mwanza

2010年3月8日

山口大学 荒木准教授とMwanzaの天水田圃場を視察した.訪問直前に大きな降雨が数回あったそうで,多くの圃場に水が貯まっていた.緩やかな傾斜地に圃場を造成しているため,田面水の大部分が斜面を流れ落ちてきた表面流水で占められているという.降雨が停止しても数日間は表面流水があり,1回の大降雨で1月間ほど圃場を湿らせておくことができるらしい.したがって,1作で5~6回の降雨があれば,ある程度の収穫を見込めるという.多くの農家が,この水を利用して耕起,均平,移植を行っていた.Sukari sukari,Sindano,Kahogo,Supa,Kalamata,Bokobokoと言った品種を栽培しているという.

また,ビクトリア湖畔の小規模灌漑圃場も訪問した.湖から圃場付近まで水路(数十メートル)を掘り,その水をポンプで揚水して圃場を灌漑.Supa,Sukari sukari,Sindanoが栽培されていた.農家によれば,食味が良く収量の高いKahogoを栽培したいのだが,Kahogoは乾燥に弱いため,比較的乾燥に強いSupa,Sukari sukari,Sindanoを選択しているという.

多くの農家が,1月の降雨直後に苗床へ播種.それ以降,降雨もなく,灌水もせずに放置していた苗を移植していた.そのような苗が枯死せずに生き延びたことも驚きだが,農家の経験では,そうした苗も移植後,十分に生育が回復するらしい.

その後,小規模・中規模精米所を訪問した.訪問時,両精米所とも精米機をフル稼働させて精米していた.中規模精米所には選別機が設置され,精米は3等級に選別されていた.1等米はDar es Salaamの市場へ輸送されてTsh. 1,200~1,300で取引され,2等米,3等米(くず米)はMwanza周辺で取引されるという.