グローカル資源利用チュートリアル(19)/社会調査演習(22)

本日は、2年生、3年生、4年生が年間を通じて取り組んできた生産者・消費者調査の統計分析報告会を実施しました。農林水産業の課題に対し、エビデンスに基いて解決策を提示しようとする学生たちの挑戦です。調査対象となった生産者の皆様にもお越し頂き、学生にとっては良い緊張感の中での発表となりました。また、調査を実施した2つの授業は三重大学のPBL(Problem Based Learning)セミナーにも指定されているため、学部内外から多くの教員が授業参観に訪れていました。

私は、論理的思考能力の醸成こそが大学進学の大きな意義の一つだと思っています。その意義を達成するためには、早い学年から研究に取り組ませるカリキュラムこそが、理想の大学教育だと考えています。自分自身で収集し愛着を持ったデータの意味合いを徹底的に考え抜こうとする意欲こそが、新たな学問領域に取り組む原動力になることは、私たちの経験上自明のことです。従来のカリキュラムは、学ぶ意欲が湧いてくる以前に高度な専門知識を体内に注入することで、拒絶反応を引き起こさせるという全く逆の効果を生み出しています。グローカル資源利用学チュートリアルと社会調査演習によって、カリキュラムを変更せず実質的に理想の大学教育に近づきつつあると実感しています。まずは課題があり、その解決に不可欠な知識を自らの意思で学ぼうとする。2年生向けのチュートリアルにおいてすらも、調査班によっては既に卒論の域を超えている場合がありました。学生の能力を信じ、高水準な調査研究に取り組ませることこそが、真の意味での教育効果につながることを実感しています。この流れを強化するために、来年度も果敢に授業改良に取り組んでいこうと考えています。

Tags:

No responses yet

コメントを残す

Latest Comments

表示できるコメントはありません。