地域の課題は世界の課題
古来「コメ作りは土作り」と言われ、農家は家畜糞尿や里山の腐葉土を投入することで水田の地力を維持してきました。現在、基幹的農業従事者への農地集積が着々と進んでいます。そうした大規模稲作においては、化学肥料投入を前提として技術体系が構築されています。しかし、近年、水田における有機物投入量の減少が地力低下を引き起こしている事例が全国で報告されています。先人に倣って有機物投入量を増加させたいところですが、1人あたり数㌶以上を耕作する状況では、きめ細かな土作りが困難になっています。現在、主食であるコメを将来に渡って安定的に国内自給できるよう、大規模稲作の持続性を担保する技術、特に省力的に地力を維持する技術が求められています。これは国内にとどまらず世界共通の大きな課題でもあります。私達は、作物生態生理学を基礎に異分野の知見も融合しながら、省力的な地力維持技術の開発に取り組んでいます。私達は、地域の課題を世界規模の課題として捉え、成果を発信していきます。
地域と共に
私達は、責任を持って地域の課題へ取り組むため、地域の皆様と連携しながら研究を進めています。連携を通じて現実に根差した研究課題を選択し、成果を活用して頂くことが可能になります。比較的短期間の間に課題発掘から成果活用までを経験できることは、実践力を養う教育の場として大いに活かされています。
農業共済新聞 連載記事
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第3回
第4回
第5回
朝日新聞

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