JOCVザンビア

ザンビアでは,以下3つのプロジェクトを立ち上げることになりました.

①足踏み式ポンプを導入するための小規模ローン実施

私の居住していたカピニ村周辺では,首都ルサカ向けの野菜栽培が盛んでした.一般的に乾期では水不足で野菜生産量が低下するため野菜価格が上昇します.農家はこの価格変動を上手く利用して収入を増やしたいと考えていましたが,そのためには灌漑への設備投資が必要になります.しかし,多くの農家が初期投資できないのは勿論のこと,仮に購入できたとしても燃料などの維持管理費を捻出できないため,バケツを持って水源と畑を何時間も往復する重労働を強いられていました.当時,足踏み式ポンプがバングラデシュから導入されたばかりで,購入を熱望する農家が多数存在しました.そこで,ローンプログラムを立ち上げ,15農家にポンプを導入することに成功しました.

②ICRAF(現Word Agroforestry Centre)の開発したセスバニア緑肥技術の普及

ザンビア東部のチパタに支所を構えていたICRAFはSesbania Improved Fallowという緑肥技術を開発していました.Sesbania sesbanを休耕地で2~3年間栽培すると,その後のトウモロコシ栽培において,無施肥でも化学肥料を投入した場合と同程度の収量が得られることを実証していました.そこで,この緑肥技術をカピニ村へ導入するため,ICRAFから入手した種子を増殖すると同時に,技術マニュアルを現地語で作成しました.そして,約1,000農家に種子とマニュアルを配布しました.

③カヨーシャ小学校への図書室設置

カピニ村のカヨーシャ小学校は,児童の教育施設であることは勿論のこと,数少ない公共施設として村民の集会所のような役割も果たしていました.私は,カヨーシャ小学校に農業関連の書籍を設置すれば,村民の農業活動に少しでも役立つのではないかと考えました.そこで,協力隊を通じて愛知県の小学校へ募金活動を依頼し,募った資金で図書室を整備しました.

カヨーシャ小学校の授業の様子やカピニ村の村人の生活の一端を垣間見ることができます⇩