【目標】優秀な卒業論文を書く

この記事では、学部と修士課程の学生に対して科学論文の執筆方法を解説します。未完ですが、とりあえず公開しました。

最後まで読んだ読者が「これに倣えば自分でも何とか書けそうだ」と感じてくれることを目標にしています。

目標を達成できるかどうか、いまひとつ不安ですがとにかくやってみます・・・。

なぜ論文を書くのか?

三重大学では、卒業論文の執筆が必修単位なので「単位を取得するために論文を書くんだ」という珍答(ある意味正解?)が返って来るかも知れません。

百歩譲って学生にとっては卒論執筆の動機が「単位取得」だったとしても、研究者にとっては「単位取得」など論文執筆の動機にはなり得ません。

執筆した論文の数は人事評価の対象ではありますが、人事評価が論文執筆の動機になることはなく、研究者の多くが、以下のような動機で論文を執筆しているのではないでしょうか?

少なくとも私は以下のような動機で論文を執筆しています。

知って欲しい

「優秀な卒論を執筆する」ためには学生も研究者と同様な態度で臨むことが非常に重要だと私は考えます。

自分の発見を多くの人に知って貰うには、何はともあれ多くの人に論文を読んで貰わなければなりません。

あなたと全く同じ研究課題に取り組んでいる研究者であれば、新規な情報を求めて「とにかく読んでみよう」とあなたの論文を手に取ってくれるかもしれません。

しかし、あなたの発見を多くの人たちに知って貰うためには、あなたとは異なる研究課題に取り組む研究者や、全く異なる分野の研究者、究極的には研究に興味のない人にすら、あなたの論文を「とにかく読んでみよう」と思って貰わなければなりません。

研究者は知りたがり

私を含めた多くの研究者が「科学を進展させるような」とか、「意外性に満ちたような」、新しい発見や事象について「知る」ことが大好きな人種です。

そうした「知りたがり」の心をくすぐることができれば、あなたの論文を「とにかく読んでみよう」と思ってくれる可能性が高まりますし、さらにはあなたの発見を「面白い!!」と思ってくれる可能性が高まります。

そのような「知りたがり」人種の心をくすぐるには、「仮説を検証する」という型に落とし込んだ論文を執筆する方法が最適なのです。

「?!」

「論文なんだから、そんなこと当たり前ではないか!!」

「いまさら何を」

という声が聞こえてきそうです。

しかし、この当たり前の「型」を実践し、多くの「知りたがり」人種の心をつかんで離さない論文が意外に少ない、というのが私の個人的な実感です。

いわゆる科学雑誌に掲載されている論文ですらその状態ですから、ましてや卒論となると・・・・

うまく「型」に落とし込んであげると、異なる分野の研究者だけではなく、研究に興味のない人にも論文の内容を理解して貰える可能性が高ります。

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